オーディオ評論家 林 正儀 先生より Λ3.16 The Premium の評価を頂きました
驚異のルームチューニングモデル「Λ3.16」を試す。
AiTECが本機で目指したテーマは「ルームアコースティックの革新」。 部屋の環境に左右されやすいリスニング環境を改善する唯一無二の製品だ。 AVファンに対してもお勧めできる協力アイテムルームチューング材といえば、シアター/オーディオルームの壁に張るものや、衝立状のものが一般的だろう。だが、今回のビジュアルグランプリ(VGP)2012「ルームチューニ ング製品」部門で金賞に輝いた、「Λ(ラムダ)3.16Premium」はそういった一般的な製品とは大きく異なる。非常に独特なコマのような形状をした不思議なアイテムで、音響のプ ロブランド「AiTEC」が30年の歳月をかけて開発したノウハウを入れ込んでいる。スピーカ ーの間に置くだけで、リスニングルームの環境を大きく改善する世界に例のない唯一無二の製品だ。 目ざしたテーマは「ルームアコースティックの革新」である。あなたは部屋が悪いから何をやっても駄目、とはなから諦めてはいないだろうか。音抜けが悪い、ぼやけて個々の楽 器が不明瞭、等々の症状を。だが、実はスピーカー自体からはきちんと正しい音が出ている はず。それが部屋の環境、すなわち反射や歪み、帯電現象などによって乱されていることが多いはずだ。それらをすっきりと解消して、耳にスピーカーからの直接音をリスナーに届けよ うというのがΛ3.16シリーズの役目である。 基本的な製品仕様は残念ながら公開されていない。いくつかの理論を複合させているとの ことだが、そのうちの一つだけ紹介しておくと、空中に存在する静電気に対する対策だ。 床から1mの箇所はほぼ1000ボルトに帯電しており、本品はその静電気や有害な電磁波をも吸収してエネルギーに変えているのだ。 スピーカーの間に置くだけで、リスニングルームの環境を大きく改善本機の独特な形状はもちろん意味がある。微弱なエネルギーをより効率的に利用するた め、ピンの突き出たフォルムを採用しているというわけだ。材質はステンレス系金属で、仕上げ精度がポイント。プレミアムバージョンの本モデルでは、底部を完璧な鏡面仕上げ(100分の1mm精度)にしてあり、熟練エンジニアによる手作業である。さて、自宅試聴室で試してみ ることにしよう。セッティングは左右のスピーカーの中央やや手前で、「89センチ」が推奨の ベストポジション。20秒ほどでじっくりと効果が現れる。突然一眼レフのピントが合うように、 音楽がクリアになりすみずみまで視界が開けてきたという印象である。 オーディオでいう音の精度感や空間の位置表現が凄い。筆者のMONITOR AUDIO 「Platinum300」も、ボーカルやジャズ、管弦楽など空間描写ではかなり表現力が高いスピ ーカーだが、そこからもう1歩も2歩も高いグレードの精密感がすんなりと引き出される。 大変心地良い空間だ。元の音調を変えずに、音質と音楽の表現力を飛躍的にアップしてく れることが確認できた。 AVのサラウンドや映像そのものでも驚くほどの効果が得られる。『ブラック・スワン』のダイナ ミックな包囲や絶妙なフィルム階調を体感。3D作品は視力に優しく生々しい立体感が引き出される。オーディオファンだけではなく、AVファンに対してもお薦めできる強力アイテムだ。 |