オーディオ評論家 山之内 正 先生より Λ3.16 The Premium の評価を頂きました
驚異のルームチューニングモデル「Λ3.16」を試す。
高精度の音場はストレスの軽減につながり音楽が本来の躍動感を取り戻す効果もある この小さなチューニングアイテムを床の上に置けば すぐにその効果が実感できるはずである 一筋縄ではいかない難しい課題を簡単に改善スピーカーや家具の位置を変えたり、カーペットやカーテンを追加すると、たしかに部屋の響きは変化する。だが、そうした試行錯誤でいつも狙い通りの結果を引き出せるとは限らないし、新たな悩みが生まれることも少なくない。部屋の音響チューニングは一筋縄で はいかない難しいテーマなのだ。 いろいろな工夫で音を追い込んだうえで、さらにその先の仕上げに挑戦したいと考えて いる人にお薦めしたいのが、アイテックの「Λ3・16Premium」である。音響機器の豊富な開 発経験や導入実績を持つ河西秀明氏が主宰する同社は、既存の概念にとらわれないユニ ークな製品を完成させ、近年、大きな注目を集めている。 Λ3.16 Premiumは直径80mm、高さ58mmの円柱上部を円錐状に加工した形状に特徴があ り、重さは1・1kg、ステンレス系金属で作られているのでこのサイズにしてはずっしりと重く感じる。本体を左右スピーカー中央手前89cmの位置に設置するという詳細な指示があるので、それに従って筆者宅のSophia3の手前に設置したのが別掲の写真だ。表面は精密な鏡面加 工が施してあり、写真でも周囲の様子が映り込んでいるのがわかる。 山之内氏のリファレンスシステムと組み合わせて使用の様子 音楽が本来持っている「躍動感」を取り戻す効果を持つ優れたアイテムだ動作原理の詳細は明らかにされて いないが、開発者の河西氏によれば、 既知の現象のなかでは電磁波と静電気の影響を軽減ないしコントロールする効 果があるらしい。そのほかにも音質改善の理由がありそうだが、それよりも実際に音を聴いてみることにしよう。 設置後しばらくしてからいつも聴い ている試聴ソースをかけると、声や楽器の音像定位の精度が以前よりも正確さを増すと同時に、前後の遠近感にさらなる深みが生まれていることに気付く。 特にボーカルのステレオイメージはフォ ーカスが精度高く決まり、立体感が確実に向上しているが、ここまでの精度向上は部屋の音響条件を左右で揃えるなど、 本来なら環境自体をかなり追い込まない と実現しにくいものだ。 10cm四方に満たない小さなチューニングアイテムを床の上に置くだけで、緻密な空間再 現と澄んだ音場が目の前に展開するというのは実に不思議な現象だが、音の変化は紛れも ない事実。精度の高いステレオ音場はストレス軽減にもつながり、音楽が本来の躍動感を取り戻す効果も大きい。 |