オーディオ評論家 林 正儀 先生より Λ3.16 mini The Premium の評価を頂きました

オーディオ評論家 林 正儀 先生 Masanori Hayashi

[オーディオアクセサリー銘機賞2015 特別開発大賞・金賞受賞]

あのルームフレッシャーがぐっと身近に

置くだけで効果を発揮する“夢のアイテム”オーディオアクセサリーは数あれど、ここまでオンリーワンの存在感を放つアイテムはΛ(ラムダ)3.16シリーズのほかにはないたろう。オーディオ機器に一切接触することなく、また手のひらサイズ程のコンパクトなアクセサリーであるにもかかわらず、高い音質改善効果を実現。登場以来、多くのユーザーを生み出した。そのΛ3.16シリーズのなかでも最上位となるThe Premiumのノウハウを色濃く受け継いだうえで、さらに小さくかつ低価格化を実現して登場したのが本項の主役、Λ3.16 mini The Premiumである。その背景には。現代ならではの問題を大きく解決するノウハウが凝縮されている。

音質と音楽そのものの魅力を最大限に引き出す画期的な発明


 私が手放せない室内音響改善アイテムのひとつが、アイテックのΛ3.16The Premiumだ。スピーカー前方の床にただ置くだけ。
非接触だし、本当にそれで良いのかと思うが、一瞬にして部屋の空気までリフレッシュし、音質と音楽そのものの魅力を最人限に引き出す画期的な発明である。
 そのΛ3.16シリーズに、衝撃の mini The Premiumモデルが登場。最上位のThe Premiumのパフォーマンスをばぽ保ったままコンパクト化に成功したもので、車載用のminiとは異なる、まったく新規の開発だ。価格はぐっと下げ、何と12万6000円前後である。
 Λ3.16が多くのユーザーの支持を得ているのは周知のとおりだが、なにぶんにも40万円超とプライス的にも、また置く位置や取扱いのデリケートさの点からも敷居が高いのは事実だ。そのハードルを一気に取り払ったのが透明なケースに収められたΛ3.16 mini The Premiumであり、開発30年のノウハウの延長にある。今回のオーディオアクセサリー銘機賞『特別開発大賞』「ルームチューニング部門・金賞」の、ダブル受賞にふさわしい魅力のアイテムといえる。
 標準サイズと比べれば、同じ寸法比のまま1/3ほどに小型化されている。ステンレス削り出しの高精度な造形はそっくりで、コマのようなピンが特徴的だ。そして最も重要とされる底部は、100分の1ミリ精度で鏡のように磨き上げられたバージPremiumバージョンに準ずる、なぜ、このユニークな形状と異常なまでの表面精度にこだわるのか。空気中の電磁波や静電気対策のためと説明されてきたが、今回のmini The Premiumの登場を機に、私なりの推諭も含めて解明したい。特許庁にも登録されたアイテムとして、当然ながらその裏づけがあるはずだ。



効果の理由のひとつに電磁波の抑制がある


 PCや携帯電話、照明にエアコン、その他の白物家電が発生源となって室内を飛びかう電磁波は、全ての機器に悪さをして音を濁す元凶である。近ごろは健康にも害があるとして、地面に金属棒を埋めた「オールアース住宅」さえあるほどだ。アイテックの代表の河西秀明氏によると、Λ3.16はその電磁波を抑制する効果があるという。おそらく強力なアース作用がはたらくのではないか。避雷針のように電磁波を捉え、熱エルギーに変えて消滅させるのか。実際に測定器でもレベルがガクンと落ち、検証済だそうだ。また、床から1メートルに1000Vの帯電があるのも知られた事実だが、これも吸収中和するようである。なるほど「置くだけ」の根拠が分かる気がした。
  mini The Premiumはセッテイングの約束ごとも手軽なのが良い。ケース入りで設置面のみ露出という仕様だからずっとイージーに扱え、文字通りぽんと置くだけだ。設置場所も変更され、左右スピーカーからリスナー側へ22cmの位置となった。できればメジャーで図るのがべ夕ーだが、効果の範囲が周囲数十メートルと広いため、あまり神経質になることもない。ただし左右のバランスは重要だ。

機器のS/Nや解像度が一気にアップしたかのようだ


 置けばその変化はすぐに分かる。安定するには20分程度必要だが、音の本質を変えず、そこからクオリティがぐんぐん向上する。それがシリーズの特徴だ。The Premiumより分かりやすいくらいで、まずヴォーカルが前に出る。スピーカーから離れ声が抜け出し、さてはボリュームが上がったかというほどダイナミックで表情豊かだ。陰影も深く、浮き彫りされるようにステージが立体的となる。
 続けてジャズやロック/ポップス、クラシックなどを聴いた。この場合も細部の見通しや風通しの良さは気持ち良いほどで、一気に機器のS/N、解像度がアップしたようだ。実は普段、スピーカーは正確に近い再生をしていたわけで、空間に漂う阻害要因が取り除かれたことで、直接音がきれいにリスナーに届くのだ。固まっていたピアノとベース、ドラムが離れ、かけあいも実にリアルで有機的。ノリが良く、まさに熱気ムンムンでインタープレイの醍醐味を味わえた。
 オーケストラものは通常、楽器が増えるほどダンゴになりやすい傾向だが、これも除去作用が見事で音がほぐれる。音場がすっきりと澄みわたって、周波数レンジも両翼に伸長。どんな大音量でもうるささや飽和を感じることがない。全帝域エネルギーバランスの整った、緻密かつ雄人で立体的な表現力だ。
 瞬発力勝負の和楽器はどうだろう。AUNTJの音源で聴けるバチさばきはスピードが乗り、筋肉の動きが見えるかのようだ。アタックの立ち上がりと皮のふるえ、そしてその余韻が実にスリリング。津軽三味線もより太く鋭い。ピークがのびてキレ味倍増である。胴鳴りの生々しさも実感できた。

チューニングパネルでは処理できない問題を解決


 今回は編集部の試聴室(スピーカーはTAD‐E1)でのテストだったが、早期に我が家でも試そうと思う。直接比べたわけではないが、小なりとはいえ mini The Premiumのパフォーマンスは目覚ましいもので、最高峰限定モデル The Premium の領域に近いのではないか。価格も手の届きやすい設定であり、ぜひ導入をお薦めしたい。これまで吸音材や反射材などで処理しきれなかったルームアコースティックの問題を、このΛ3.16mini The Premiumはスマートに難なく解決してくれる。
 ちなみに、ハイレゾ音源での効果も絶大で、電磁波の気になるPC&ネットワークオーディオユーザーにまさにぴったり。ケースやポーチつきなのでそのままカバンに入れてマイカー内や電車内、またアウトドアでのイヤフォン試聴に使うのもよいだろう。Λ3.16の世界を大きく広げる、奇跡の新アイテムと評価する。